多重人格障害ともいわれます。
一人の人間の中に、少なくとも2つかそれ以上の分離した人格が存在する状態となるものです。
複数の人格は、異なる個性、感情、行動を有します。
一般的に人格同士が交流することはなく、人格間の記憶は分断されています。
全く正反対の人格を呈したり、別々の人格間で聞き腕や声などの身体的特徴が異なる場合もあります。
男性よりも女性に多く、青年期早期の発症が大半です。
症状は加齢に伴い薄れていくことが多いです。
診断基準
DSM-IV-TRでの解離性同一性障害の定義は以下のものです。以下の基準を1つでも満たさないものは、特定不能の解離性障害に分類されます。
- 2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される同一性 (identity) または人格状態 (personality states) の存在 (その各々はそれぞれ固有の比較的持続する様式をもち、環境および自我を知覚し、かかわり、思考する)。
- これらの同一性 (identity) または人格状態 (personality states) の少なくとも2つが反復的に患者の行動を統制する。
- 重要な個人的情報の想起が不能であり、普通の物忘れで説明できないほど強い。
- この障害は物質(例:アルコール中毒時のブラックアウトまたは混乱した行動)または他の一般的疾患(例:複雑部分発作)の直接的な生理的作用によるものではない。
- (注:子供の場合、その症状が想像上の遊び仲間(イマジナリーフレンド imaginary friend)、または他の空想的遊びに由来するものではない。)