大正中期に、医学者である森田正馬が独自に開発した神経症治療の方法です。
神経症の悪循環を断ち切り、人間が本来もつ生への欲求(自然治癒力)を発見するために行います。
治療方法には、入院治療と外来治療の二種類があります。
入院治療
入院治療は、約1カ月通して行われるものが基本ですが、2~3カ月に渡る場合もあります。
治療段階としては以下の4期に分かれます。
第1期(1週間):絶対臥褥期
クライエントを隔離した寝床で横になり、食事などの生理活動以外、一切の活動を禁止します。隔離により、不安が増大しますが、その不安をあえて体験し受け入れる時間となります。
第2期(3~7日間):軽作業期
臥褥時間は7~8時間になります。掃除など軽作業をしますが、面会や外出は認められません。日記や、作業としての読書などが再開されます。自発的な精神活動を呼び起こす時期です。
第3期(1~2週間):重作業期
睡眠時間以外は絶えず何かしらの作業を行います。他患者との交流は禁じられますが趣味や読書などは許可されます。自発的な生活になれていく時期です。
第4期(1週間):生活訓練期
外界や職場に通うことも可能となります。再獲得した、あるがままの自分の態度で実生活への適応を準備する時間です。
外来治療
外来治療では日記指導が中心となります。並行して「生活の発見会」や「体験フォーラム」を利用する場合もあります。
「生活の発見会」とは、森田療法を相互に学習する自助グループです。
「体験フォーラム」とは、(財)メンタルヘルス岡本記念財団のホームページにある、不安障害などに悩む人達のコミュニケーションの場です。