森田学説 (Morita theory)

 森田正馬が1920年頃に唱えた神経症学説をさします。
 森田は人間が生きるための欲望を「生の欲望」と呼びました。フロイトが人間のエネルギーの根源と不安の源泉を「性」に求めていたのに対して、森田は自然との調和をめざす人間の「生命欲」そのものに求めました。つまり、人間は生まれながらにして「生の欲望」を備えているというのが森田の仮説であり、森田学説の根底となります。

神経質とヒステリー

 森田は、病(神経質)=素質(ヒポコンデリー性基調)×機会×病因(精神交互作用)と考えました。
 更に森田は今日われわれが神経症とみなすものを神経質とヒステリーに大別しました。そして、この両者は本質的にも治療面からも対照的であるとしました。
 神経質素質は自己内省的・理知的・ヒポコンドリー的であるのに対し、ヒステリー素質は、感情過敏的・外向的・自己中心的です。
 神経質素質の上に、ある機会から病的状態が生ずると神経質になり、ヒステリー素質の上に、ある機会から病的状態が起こるとヒステリーになると森田は考えました。

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