摂食障害 (eating disorder)

 食物をとることに対して、何らかの問題が生じる精神疾患です。
 摂食障害の特徴としては、極端な食事制限や大量の食糧摂取と排出行為(嘔吐や下剤の使用)が挙げられます。
 症状の重さには個人差があり、軽度のものから重度(治療が困難)なものまであります。
 摂食障害は大きく分類すると、

  • 神経性無食欲症(拒食症)
  • 神経性大食症(過食症)

 に分けられます。
 しかし、拒食と過食はリンクしているので、拒食と過食は必ずしもはっきりと分けられるわけではありません。拒食から過食へと移るなど、経過中に症状が変化することがよくあります。
 発症時期や性別については、思春期・青年期の女性に多く見られます。ただし、成人後の男性においても稀ではありません

摂食障害への心理学的介入

 摂食障害の患者は、しばしば病気であるという自覚がありません。その影響で病院に来ない、来たがらないという問題がまず生じます。また、親や配偶者などに連れてこられても治療を拒否するなどして、介入が困難になる場合があります。
 そのため、病気である自覚がない場合は心理教育が重要となります。
 神経性無食欲症で、生命の危険を伴うものは強制入院が必要な場合があります。その際に点滴による栄養補給を行うのです。
 治療に際して、摂食障害の患者には体重増加に強い葛藤が生じる可能性があります。そのため、治療者とのラポール(信頼関係)形成に困難があることが多いです。家族の状態も含めて多元的に状態を見据えて、介入計画を立てる必要があります。
 神経性無食欲症への主要な介入法には、家族療法が挙げられます。具体的には、家族ランチセッションなどの方法があります。
 神経性大食症への主要な介入には、認知行動療法が挙げられます。食事制限へと繋がる認知に介入し、正常な食生活パターンを身につけることを目的とします。

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