作業検査法 (performance test)

 特定の検査場面を設定し、その場面のなかで標準化された指示にしたがって標準化された検査を行わせるものです。その作業の実施態度や遂行結果から、対象者のパーソナリティを測定する検査方法です。

長所と短所

長所

  • 一度に多くの対象者に実施できる
  • 回答の意図的な操作が困難
  • 対象者の言語能力に依存しない

短所

  • パーソナリティの特定の面しか測定できない
  • 解釈に熟練を要する

代表的な作業検査法

  • 内田・クレペリン精神作業検査
  • ベンダー・ゲシュタルト検査

作業検査と、同じ客観的検査である能力検査の違い

能力検査

 たとえ何らかの作業を行わせたとしても、作業量のみが能力を表す指標とされます。

作業検査

 作業量そのものよりも、むしろ作業への取り組みのしかたや単位時間当たりの作業量の変動などから、能力ではなくその人の性格を測定しようとします。

日本でこれまでに標準化された作業検査

意志気質検査

 J.E.ダウニーの業績にもとづいて桐原葆見によって標準化されました。あまり多くは利用されていません。

内田クレペリン精神作業検査

 E.クレペリンの連続加算作業の研究にもとづいて内田勇三郎によって標準化されました。
 後者は採用や適職決定など産業心理の現場をはじめ教育現場などで、多く利用されてきました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする