1948年にJ.N.バックの創案によります。
「家」「木」「人」(The House-Tree-Person)を描く、具体的課題描画テストです。
実施法
HBの鉛筆を用いて、B5判の画用紙に「家」「木」「人」の順に描きます。
「人」については全身像を描きます。最初に描いた人物像の性の反対の性の人物像を描く方法が広く実施されています。
4枚の描画終了後、バックによる64の質問(Post Drawing Interrogation; PDI)を行います。PDIの一例には、
- 「この家には、どんな人がすんでいるのでしょうか」
- 「常緑樹か落葉樹でしょうか」
- 「この人は何歳くらいでしょうか」
- 「どういう性質の人でしょうか」
ここから量的分析、質的分析を行い、被検者の心的世界や知的水準を把握します。
解釈
HTPに象徴されるものは、知能を含めた精神の熟練度が示されます。言葉を媒介としないことからパーソナリティの深層をとらえることが可能です。
分析は、各課題から受ける全体的印象を重んじることにはじまります。
その次に分析することの一例には、
- 描く順序
- 紙面上の位置(空間象徴)
- 大きさ
- 筆圧
- 描線の強弱や規則性などの形式分類
- 描線の強調点
- 特殊な描写の存在を取り上げる内容分析
があります。
これらをパーソナリティの側面と関連させていきます。そこでは、パーソナリティの特性、欲求、葛藤、心的外傷、適応状態を知ることが可能です。
臨床場面で多く使用されており、信頼性や妥当性についての議論もあります。PDIやほかの心理テストとバッテリーを組むとかの使用法の慎重さが望まれます。