正式には実験衝動診断法(Experimentelle Triebdiagnostik)といいます。
1947年に、ソンディ,Lによって考案された投影法検査です。
ソンディが1944年に創始した運命分析学に関する衝動理論を検証するために考案しました。
このテスト法が使われている領域の一例
- 臨床心理学や精神医学
- 犯罪学
- 職業指導
- 発達心理学
- 教育学
運命分析学
ソンディによれば、フロイトの個人的無意識とユングの集合的無意識との中間に家系的無意識があるといいます。この家系の遺伝に基づく無意識的衝動を明らかにすることが目的です。その否定的なものを予防し、肯定的なものへと転換することが治療に役立つとしました。
実施方法
ソンディ・テストは、てんかん、うつ病などの8タイプの精神疾患患者の顔写真を被検者に呈示します。
テスト用具は、衝動理論にもとづく8種の衝動因子を表徴する8人の精神障害者の顔写真のカードを1セットとする6セット計48枚のカードから構成されています。
検査者には、この各8枚の写真カードの中から好き嫌い各2枚、計24枚を選択させます。好き嫌いを評定させることで性格の査定を行うものです。
問題点
ソンディ・テストは、深層レベルの意識を拾い上げる検査として、多くの場面で用いられてきました。しかし、運命分析や衝動分析の理論的根拠に対する妥当性の検討が問題であるといわれています。
48枚の顔写真は、典型的な精神疾患患者であると言いつつも、実はそれ以外のものが含まれています。ソンディの理論構成の是非はさておいても、内容的な面での妥当性が疑問視されることもあります。
また、いずれもヨーロッパ人の顔写真であるため、日本人に適用することへの問題もあります。
結果の分析について
衝動プロフィールの作成手続きがかなり整備されています。様々な量的分析法もとりあえず確立されています。
テストの実施方法は簡単で、分析のための記号化等の基準は明確です。しかし解釈のための衝動理論や運命学説の短絡的な適用を試みるとテストの妥当性を失います。分析家の心理臨床洞察力に比例してテスト・プロフィールが選択言語として語りだす特徴に留意すべきです。