前半に短い刺激文が呈示され、未完成の文章の後半を自分が連想した通りに記入し文章を完成させるものです。被験者のパーソナリティをはじめ、能力、生活環境などを査定する心理検査です。
何を連想するかという点に無意識が関与するので投影法の1つとされます。
言語連想検査から発展し、当初はH.エビングハウスによって知的能力の測定に用いられたりしました。
特徴
呈示された未完成文章を自由に完成させるという課題を通して、個人でも集団でも施行できます。
文章理解と作文能力がある児童以上に用いられます。
SCTは柔軟で応用しやすい検査技法であり、自由に刺激文を構成することができます。使用領域はパーソナリティのみではありません。特殊な対象(たとえば軍人、老人等)、さまざまな研究目的(たとえば生き甲斐、発達段階等)のための専用のSCTが作成されてきました。
SCTそのものの研究からわかったことは、刺激文が長いほど規定性が強まり、反応内容が限定されるとされることです。刺激文の主語は、個人施行であれば、三人称より一人称の方が無意識的内容が表現されやすいとされます。
SCTは、病院、相談機関、司法関係の施設などで、テスト・バッテリーの1つとして使用されることが多いです。SCTはロールシャッハ・テストと組み合わせて実施されることも多くなります。その理由としてSCTから得られる具体的情報がほかのテストを補完し、被験者の総合的理解の手助けになるからです。
評定について
検査者の経験と洞察力による内容分析が中心となります。その他の評定、基準を決めて内容を評点化するものには、精研式文章完成法のように、分析すべきいくつかの側面の手がかりとして示すものがあります。
また、文章の長さや筆圧、筆跡なども手がかりになることもあります。