ベンダー・ゲシュタルト検査 (Bender Gestalt test ; BGT)

 作業検査法の一つであるが、描画法に分類されるときもあります。
 L.ベンダーによって作成されました。
 ボッ線・直線・円・波線で構成された9枚の簡単な幾何学図形を、書き写すだけの簡便な検査です。
 わかることの例には、

  • 全体的な統合を行うゲシュタルト機能の成熟程度とその障害
  • 心理的障害
  • 気質的な脳障害
  • パーソナリティ傾向
  • 知能的側面
  • 場合によっては統合失調症などの診断も可能

 があります。
 5歳以下の子どもには、ゲシュタルト機能の未発達から、本テストを適用しない。

整理方法

 標準化されているG.R.パスカルとB.J.サッテルの方法があります。10歳以下の児童用にはE.M.コピッツのものがあります。

ベンダー・ゲシュタルト検査の研究

 L.ベンダーが1938年に発表したのが最初です。
 その後、発達的・臨床的研究では、脳の損傷部位の特定や、さまざまな疾患群の特徴の記述が試みられ、多くの成果が示されました。
 このほか、投影法テストとしての研究も行われてきたが、現実的には、その信頼性・妥当性は低いといえます。
 理論的にはゲシュタルト心理学にもとづいています。
 ベンダーが着目したことは、視覚―運動の統合過程での、刺激をまとまりのある心像に体制化していく精神作用の全体性と有機性です。焦点をあてたことは、ゲシュタルトの統合形成のためのさまざまな機能です。つまり個人の発達の程度、気質的・機能的な病理的状態、および内的な衝動性に焦点をあてていったのです。

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