調査法の1つです。
一連の質問項目を印刷した質問紙を回答者に配布して、一定の方式で回答を求める方法の総称です。
質問紙法の形式
リッカート式
各選択肢にnから1までの得点を与え、逆項目については1からnと逆に採点し、総合得点を算出します。
自由記述式
研究の仮説生成の段階で、幅広い自由な回答を集めたいときや、質的分析を行うときにも使用します。
複数選択式
統計解析にはあまり向きません。一般的な傾向を把握するためには便利です。
順位付け法
統計解析にはあまり向きません。一般的な傾向を把握するためには便利です。
ダイアリー法
日記帳のような調査用紙に毎日ないし複数記録をつけてもらいます。より生活に密着した場面で回答を得られるメリットがあります。
長所と短所
長所
- 施行方法や採点方式がマニュアル化されている(手続きが比較的簡単であるために使われることが多い)
- 実施が容易
- 短時間で集団に実施できる(質問紙事態は効率的に集団データを収集するための手段)
- 評価に主観が入らない
短所
- 被験者の言語能力や自己評価能力に依存する
- 質問項目以外の事柄を知りえない
- 回答の意図を確認できない
- 虚偽または意図的に操作された回答のチェックが困難(ただしMMPIのように虚偽尺度を有する検査もある)
- 言語を介するがゆえの誤解や情報伝達の偏りの危険性も多い(質問の意味を明確にしたり項目の配列に配慮するなど細心の注意が必要)
自己評定式と他者評定式
自己評定式
質問項目を予め設定し、「はい・いいえ・どちらでもない」などで回答させる方法です。
被験者が「この質問には『はい』と答えた方がよさそうだな」と思うなどの、意図的歪曲が起こるデメリットがあります。
他者評定式
何らかの理由で質問紙に記入できない・自己評価できない者の代わりに、保護者や教師が評定を行う方法です。身体障害、知的障害のある本人に代わって、被験者をよく知る身近な他者が評定するのに使われます。