MPI (Maudsley Personality Inventory)

 1959にH.J.アインゼクが特性論的立場から開発したパーソナリティ測定の質問紙検査です。
 神経症的傾向と外向―内向性の2因子を軸とした質問紙法によるパーソナリティ検査を開発したものです。大元はアインゼク自身が作成したモーズレイ医療用質問紙とギルフォードの性格尺度を合わせた261項目です。

特徴

 外向性-内向性と、神経症的傾向という2つの因子があります。アイゼンクは特性論的な立場と類型論的な立場とを繋ぐものとして見出したものです。MPIはこの因子を測定する目的で構成されています。「外向性-内向性」はE尺度、「神経症的傾向」はN尺度と命名されています。
 日本版は1964年に出版され、E尺度、N尺度は、各々24項目の質問で構成されています。さらに虚偽発見尺度(L尺度)20項目と緩衝項目12項目を加えた80項目で構成されています。
 臨床的には精神科領域および内科領域で利用されています。目的の一例としては、分裂病をはじめうつ病、神経症や心身症の症状経過や疾患の病態像の変化の臨床的診断があります。

実施について

 検査時間は15~30分間、個別・集団検査いずれにも使用できます。
 回答は「はい」「?」「いいえ」の3件法です。

採点について

 プロフィールの類型化に関しては、E、N各々について3つに分類されています
 3×3=9類型化が可能であり、解釈も比較的容易です。その反面、9つの類型の中で解釈が困難なものがある場合もあります。9つの類型の中でさらに様々な下位型があるため、それらの判定に関しては慎重な態度が必要です。
 N尺度とE尺度から構成された判定チャートの9つの領域のいずれかに該当するかによって分類されます。9つの領域の一例には、

  • 神経症的傾向を示さない平均的性格
  • 神経症的傾向の高い型
  • ディシミック
  • 精神病質

 があります。
 N尺度は神経症や心身症で、E尺度は分裂病や精神病質で高得点となります。神経症ではL得点が高いです。

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