標準化面接法、指示的面接法とも呼ばれます。
あらかじめ準備した質問項目を、順番を全く変えずに実施する面接をいいます。
特徴
クライエントのアセスメントを目的とした客観性と信頼性の高い面接テクニックです。
構造化面接法と非構造化面接法の比較しての長所には、
- 特定の疾患や症状のアセスメントができる
- 面接法が予め決められた一定のマニュアルにそって構成されているため、個人間の比較を行いながら診断や鑑別診断ができること
- 面接の評価の方法が明確であり、アセスメントの信頼性と妥当性が検証できる
があります。
構造化面接の実施
面接をアセスメントの方法として用いる場合、当然得られた情報の客観性や信頼性が問題になります。それぞれのクライエントごとに異なる項目を質問した場合、それらの情報を互いに比較することは困難です。
面接の中で体系的にクライエントを観察しながら評価することが必要になる際に満たすべき条件には、
- アセスメントの対象となる態度や具体的な行動があらかじめ詳細に検討して決定してあること
- 質問項目や観察項目の具体的な内容や形式、順序があらかじめ標準化してあること
- クライエントの応答や反応を具体的に評価する基準が明確にしてあること
などがあります。
厳密な構造化面接では、すべてのクライエントに対して、同一の雰囲気、同一の順序、同一の文章で質問することになります。その際には「あなたの仕事は何ですか」、「ご自分の職場における地位に満足していますか」など解答や応答のパターンに多様性の少ない「閉じた質問」が用いられます。
構造化面接の実際
我が国において、構造化面接が一般に用いられる例には、虚血性心疾患のリスクファクターである「タイプA行動パターン」のアセスメント技法があります。タイプA行動パターンは、行動の性急性や敵意性の高さなどに特徴があります。面接の中で故意にクライエントのイライラ感情や敵意をあおるよう、非常にゆっくりと質問するなど工夫が施されています。面接の評価の際には回答や反応の内容ではなく、クライエントの話し方や動作などの観点が重視されます。
その他の代表的な構造化面接法には、
- 統合失調症の診断に用いられるBPRS(簡易精神医学的評価尺度)
- SADS(「感情病あよび精神分裂病用面接基準」)やSCID(DSM-Ⅳ用構造化面接)
などがあります。
SADSやSCIDの質問文はマニュアルの中に示されているものの、質問の仕方そのものは評価者の裁量に、かなりの部分がゆだねられています。評価者の臨床的判断が必要とされることから半構造化面接法に分類されることもあります。