強迫性障害とは、「強迫観念」と「強迫行為」の2つの症状から形成される心理障害です。
自覚症状を持たない場合もありますが、多くはその症状を気にしています。
一般人口の2~3%に相当する人が経験し、その発症時期は平均20歳です。その過半数は合併症としてうつ病を発症します。親が強迫性障害であると、その子どももかかりやすいことから、現在では遺伝的要素があるとも考えられます。
強迫観念 (Obsessive thought)
「強迫観念」とは、ある思考やイメージ、衝動などが、持続的に繰り返し浮かんでくることです。
それに伴い強い不安が生じます。
これは単なる心配のしすぎというレベルを超えています。
不合理なことだと思っていても、自分の意思で無視したり抑えたりすることはできないのが特徴です。
例えば、外出するときに戸締りしたかを度を越して気にする、数字や順序に異様にこだわるなどが強迫観念にあたります。
強迫行為 (Compulsive behavior)
「強迫行為」とは儀式行動とも呼ばれるものです。
「強迫観念」によって引き起こされた不安や苦痛を減らすために、何らかの行動を繰り返し続けることです。
不安や苦痛が低減、消失したと本人が納得した時点で繰り返し行動は終了します。しかし、再び「強迫観念」が生じると「強迫行為」が始まります。
例えば、強迫観念として度を越して戸締りしたかを気にして、何度も戸締りの確認を行ってしまうなどがこれにあたります。
介入(治療法)
介入のターゲットは「強迫観念」と「強迫行為」です。
「強迫観念」に対しては認知療法を行います。
「強迫行為」に対しては暴露反応妨害法を用います。
また、治療は薬物療法も合わせて行います。
統合失調症と誤診されることもあるため、慎重に診断していく必要があります。