エンペドクレス

 エンペドクレスは、古代ギリシャの哲学者で、アクラガスが出身地だった人物です。ピュタゴラス学派で学びパルメニデスの弟子だったとされています。
 彼は四元素説を唱えた人物として知られています。
 また、アリストテレスは著作「ソフィスト」の中で、エンペドクレスは弁論術の最初の発見者であると述べています。
 さらに彼は医者でもあったし、弁論家でもありました。彼の弟子であるゴルギアスは、弁論術に長けた人物で、「弁論術数程(テクネー)」という書物を残しています。

四元素説

 エンペドクレスの四元素説とは、物質の根源であるアルケーは火、水、土、風の4つのリゾーマタからなるという考え方です。リゾーマタとは、根(rizomata)を意味します。
 火、水、土、風というリゾーマタ(四大元素)は、「ピリア(愛)」によって引きつけられ、「ネイコス(憎)」によって排斥されます。リゾーマタは新たに生成されたり、あるいは消滅することはありません。ただピリアとネコイスの働きによって離散集合するのみです。この考えでは、宇宙は愛と憎の支配とが交互に動的に繰り返される場であることになります。
 エンペドクレスの四元素説は、引力や斥力といった力によって元素が運動するという、現代科学に通じる世界観ともいえるでしょう。

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