ポレモン

 ポレモンはアテナイ人であり、オレア区に属していました。
 ポレモンは、若い頃は大変な放蕩者だったといいます。しかし、あるとき彼は若い仲間たちと申し合わせて酩酊した状態で、クセノクラテスの学園「アカデメイア」に押し込みます。しかし、クセノクラテスは少しも動じないで、講義を続けました。その講義は節制に関するものでした。それを聞いているうちにポレモンは次第に魅せられてしまいました。こうして彼は、他の学生をしのぐほどに勤勉な人間となりました。後に彼は、「アカデメイア」の後継者となります。
 ポレモンは、人間は実生活の中で自分を訓練するべきだと唱え、問答法的な理論の中では自らを鍛えられないと主張しました。例えば、音楽の調和に関する技術や理論は頭にあるけれど、それを実践できなければあまり意味がありません。そうではなく、実践の中にこそ知があるのだとポレモンは考えたのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする