田中ビネー検査 (Tanaka-Binet Intelligence Scale)

 田中寛一がスタンフォード改訂版をもとに1938年から5年の歳月をかけて我が国で改訂を行い作成した検査です。スタンフォード改訂版は1947年にアメリカにおけるビネー式知能検査の決定版といえます。

歴史

 1954年、1970年、1987年に改訂版が出されています。
 年齢尺度に関する原理・過程・方法、結果の整理についてはオリジナルなビネーの考えに準拠します。
 精神年齢を算出し、それに基づいて知能指数を算出するやり方はL.ターマンの方法に拠っています。

1987年版による本検査の特徴

  • 検査問題数が多いこと。スタンフォード改訂版が90問、鈴木ビネー法が70問、武政ビネー法が79問であるのに対し、本検査は118問の設問があります。
  • 年少の段階では言語式の問題を少なくし、非言語性の問題を多くしたこと
  • 被検査者の生活に近い問題を可能な限り選んだこと
  • 採点が容易かつ客観的にできるように工夫したこと
  • 教示を出来る限りやさしくしたこと
  • 概念的思考力を捉えるために言語的問題を多く採用したこと(高年齢級の問題には従来のような機械的暗唱の問題ではない)
  • 学校教育による影響の現れをできる限り避けたこと
  • 成人級でも診断的に利用できるように問題数を増やしたこと
  • 標準化のための被検査者の選択には可能な限り、標本抽出の見地から偏りがないように注意を払ったこと

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