アメリカの心理学者で、道徳性発達理論の提唱者です。
道徳性発達理論では、道徳性の発達は認知発達の側面から捉えていきます。
コールバーグによれば、人間は道徳的価値や規範をそのまま受け入れて内面化するのではありません。他者・社会との相互作用の中で自分なりに道徳観を作り、その道徳観に基づいて道徳的な決定を行うのです。
また、道徳的価値の捉え方、道徳的決定の仕方は発達レベルによって異なるとしました。そして道徳性は発達とともにより合理的で適切なものになっていき、文化によらない普遍的な発達段階をなしていると主張しました。
道徳性の発達段階は、
- 前慣習的水準(ステージ1とステージ2)
- 慣習的水準(ステージ3とステージ4)
- 後慣習的水準(ステージ5とステージ6)
の3つの水準(6つのステージ)に分けれらます。
道徳発達の3つの水準(6つのステージ)
前慣習的水準 (preconventional morality)
道徳的価値を外的・物理的な結果や力によってとらえます。ステージ1とステージ2が前慣習的水準に該当します。
ステージ1は「罰と服従への志向」をもちます。罰や制裁を回避し、権威に服従することが正しいと判断します。
ステージ2は「道具的・功利的志向」をもちます。自分の利益や欲求に合うように行動することが正しいと判断します。
慣習的水準 (conventional morality)
他者・社会からの期待を維持することに正しさを見出します。ステージ3とステージ4が慣習的水準に該当します。
ステージ3は「対人的一致・よい子への志向」をもちます。他人の期待にそい、よい対人関係を保つことが正しいと判断します。
ステージ4は「社会秩序への志向」をもちます。全体としての社会を維持することが正しいと判断します。
後慣習的水準 (postconventional morality)
個人的な道徳原理に基づいた道徳観念を持つようになる水準です。ステージ5とステージ6が後慣習的水準に該当します。
ステージ5は「社会契約的・遵法的志向」をもちます。社会全体によって吟味され一致した規準に従うことが正しいと判断します。
ステージ6は「普遍的倫理的原則への志向」をもちます。普遍的な公正さの原則に従うことが正しいと判断します。