社会的比較とは、周囲の人々と自分を比較することで、自分の社会における位置を確かめることをいいます。
このことを論じたフェスティンガーは、人は妥当な評価をしやすいよう、自分と似た他人を比較対象に選ぶと仮説を立てました。
上方比較と下方比較
意見や行動だけでなく、能力を比較する場合は、似ているだけでなく、もっと複雑な条件を付加することがわかっています。
仮に試験の点数が50点だったとします。それよりも落ちることを恐れている場合は、成績の悪い人と自分を比較して「自分の方がまだマシだ」と思うようになります。これが下方比較です。
逆に、50点よりも上の得点を目指す場合、成績が上の人と比較し「もっと頑張ろう」となります。これが上方比較です。
人間はこのようにして自尊心が傷つかないように防御したり、頑張る自分をつくりだします。
比較の対象にならない場合
レベルや領域が違う相手とは自分の能力は比較しづらくなります。
この場合、正確な自己評価につながらないため、比較対象にはなりません。
例えば、学業成績についての比較の場合、以下の場合は比較対象にはなりづらくなります。
- 学校が違う:他校の生徒とは比較がしづらい
- 学業の位置づけが違う:学業成績を気にしない人より成績がよくても喜べない
- 領域が違う:例えば友人がスポーツの大会で優勝しても自分の学業成績とは比較できない