認知的不協和理論とは、L.フェスティンガーによって提唱された態度や行動に関する理論です。
認知的不協和理論では自己の認識要素に矛盾が生じると、認知を変えるなどして一貫性を保とうという心理的な現象を説明しています。
例えば、一番いいと思って購入した自動車に最初から不具合があった場合、「自分は良いと思って買った」という認知要素と矛盾が生じます。このような場合には認知的不協和、つまり認知の食い違いが起こります。そうした場合、例えば「デザインはオシャレで自分にぴったりだ」などのように認識の方を挿げ替えてしまうなどをして一貫した認知を行おうとします。
この理論は明快に身近な多くの現象が説明可能であったため、後の研究に大きな影響を与えました。
認知的不協和の解消法
認知的不協和の解消法には以下のパターンがありえます。
以下では一般的に体に悪いとされている夜ふかしに対する認知的不協和を解消することを例にしています。
行動を変える
例:夜ふかしは体に悪いから早寝早起きを心がける。
不協和な認知要素のいずれかを矛盾のないものに変える
例:「夜ふかしをしても健康に不具合は生じない」と開き直る。
不協和な認知要素の重要性を低下させる
例:「夜ふかしをしても健康的な人もいる」と例外的な事例を考える。
協和的な新たな認知要素を加える
例:「夜ふかしをしているときに良いアイデアが浮かぶことが多い」という付加価値を見出す。