カイン・コンプレックスはコンプレックスの一種です。
兄弟・姉妹への競争心と嫉妬が複雑に入り混じる心理であり、親の愛を独占したいという気持ちから生じます。
カイン・コンプレックスの由来
カイン・コンプレックスは、旧約聖書『創世記』偽典『ヨベル書』の物語から命名されました。
農夫の兄カインは、羊飼いのアベルと共に神にささげものをしました。しかし神はアベルのささげものに目を留めましたが、カインのささげものには目をとめませんでした。そして、兄カインは怒りのあまり、弟アベルを殺害したといいます。

カイン・コンプレックスが生じる対象
カイン・コンプレックスも実際の兄弟姉妹だけではなく、それに類似した同僚や先輩・後輩の間にも起こることがしばしばあります。
このコンプレックスは単に競争心と嫉妬心が複雑に入り混じったものではありません。その奥に親や教師・上司を独占したいという気持ちが潜んでいます。旧約聖書のカインの物語が神の愛をめぐる愛憎劇であったのと同様に、親や教師・上司など重要な人物の評価をめぐって生じるコンプレックスなのです。
愛情や評価が問題なので、コンプレックスは様々な形で表れます。
その例としては以下のようなものなどが挙げられます。
- 学業や仕事の成績
- 容姿
- 男らしさや女らしさ
- スポーツや料理の能力