母親コンプレックス

 母親コンプレックスはコンプレックスの一種です。
 母親に愛されたいという気持ちや優しく受け止めて包み込んで欲しいという気持ちと、なぜ自分を受けとめてくれないかという失望などが入り混じる反応を示します。
 また、愛されたいという欲求が満たされないとき、どうしてもっと愛してくれないのかと恨みに思ったり、「どうせわかってもらえない」という諦めの態度を示します。
 いわゆるマザコンと母親コンプレックスの違いは、年上の女性に抱く感情の複雑さにあります。マザコンの場合は単に自分の母親に似た人を好きになるだけなのに対し、母親コンプレックスの場合は好意や嫌悪など矛盾した複雑な感情を抱くことになります。

母親コンプレックスの対象

 母親コンプレックスは男女共に抱く可能性がある感情です。また、母親コンプレックスが生じる対象は、実の母親ばかりとは限りません。年上の女性や他人の母親たちに対しても同様の反応が出る可能性があります。例えば、職場に親密な年上の女性がいると必要以上に依存したり、一度優しくされただけでその後つきまとうなど不自然な行動に出る人は母親コンプレックスを持っている可能性が高いです。あるいは、年上の女性に少し注意されただけで敵意を向けたり、抵抗を示すという態度を取る場合もあります。
 男性の場合は相手が年上でなくても、近しい女性に対し母親コンプレックスが働く場合もあります。恋人や同僚、場合によっては部下や年下の女性に対しても同様の反応が現れることもあります。母親コンプレックスを持つ男性が「自分の思い通りに愛して欲しいけど、どうせわかってもらえない」という複雑な感情を恋人に投影することがあります。

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