元型とは、集合的無意識の内容の表現(夢など)の中に見られる、共通した型をさします。C.G.ユングが提唱しました。
元型は夜見る夢のイメージや象徴を生み出す源となる存在とされています。また、夢分析・芸術療法・箱庭療法などの解釈で重要な役割を担っています。
元型と集合的無意識
集合的無意識にあるものが意識に影響を与える際、直接意識に上るのではなく、人類共通のイメージとして現れます。この心的イメージが元型です。
元型という考えは、集合的無意識が認められて初めて存在する概念です。
元型は、個人の体験に基づいて構成されるのではありません。人類の極めて長い経験の蓄積の結果、構成されたもので、遺伝的に心に継承されると考えられています。
元型の種類
元型の種類の例として以下のものが挙げられます。
- ペルソナ
- 影
- アニマ
- アムニス
- グレート・マザー
- トリックスター
- 永遠の少年
- 永遠の少女
- 老賢人
- 自己
元型と原始心像
ユングは、元型という言葉を用いる前はヤコブ・ブルックハルトの言葉を用いて原始心像と呼んでいました。
しかし、後年にはこの両者を区別して用いるようになります。元型は仮説的な概念であり、心の奥深く隠されている基本要素です。一方で原始心像は、元型が意識への効果、すなわち意識内に浮かび上がってきたイメージであるとしました。
よって、元型そのものは決して意識化されることがないというのがユングの意見です。