内向的感覚型 (introverted sensation)

 C.G.ユングが「タイプ論」で提唱した4つの心的機能の一つである内向機能のうちの、内向的な態度を指します。

このタイプの人の特徴

 内向感覚型のひとは、内向的直感型のひとと共に、現在という時代においては外界への適応に非常な困難を感じている人です。
 このタイプの人は、現実をそのままではなく、自分の内面をプラスして把握します。つまり、外界からの刺激そのものよりは、それによって引きおこされる主観の強度を頼りとしているのです。
 この人を外から見る限り、その行動はまったく不可解に見える場合も多いです。皆が美しい花畑と見るものが、この人には恐ろしい燃え上がる火に見え、小さい一つの眼の中に、広い海の深淵をのぞいたりします。そして、これらの人は、その見たものを適切に表現することが難しいので、一般には他人に従って生きている場合が多いです。
 しかし、もしこのタイプの人が、自分の内部に見聞したものを、他人に伝えるだけの創造性をもつときは、偉大な芸術家として、その才能を開花させます。そして、この芸術家の描き出した像は、われわれの内部の奥深くに作用を及ぼし、われわれは、自分の内部に確かに存在するものを、このひとが書き出すまでどうして気づかなかったのかと思ったりします。
 そして、このタイプの人が、その像を作りだしたり、考えたりしたのではなく、まさに、見聞きしたことをそのまま伝えようとしていることに気づくのです。かつて、画家のシャガールは、空想世界を描いていると言われるのを嫌って、「私は現実の世界、内的現実を描いているのだ」と答えたといいます。

反対のタイプ(外向的直感型)を抑圧しすぎた場合

 内向的感覚型の反対のタイプは外向的直感型です。外向的直感型とは、他人や出来事の背後にある可能性を読み取ることを得意とする機能です。
 外向的直感型の人が特徴的な勘の良さを備えているのに対して、内向的感覚タイプの人の未成熟な直感は現実の背後にあるあらゆるいかがわしい、暗い、汚らわしい、危険なものを嗅ぎ取るようになります。つまり、暗い、悲惨な未来を予測するようになるのです。これは当人にとっては極めて危険です。
 マイナスの可能性が頭から離れなくなると、強迫神経症に陥ることがあります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする