外向的感情型 (extraverted feeling)

 C.G.ユングが「タイプ論」で提唱した4つの心的機能の一つである感情機能のうちの、外向的な態度を指します。

このタイプの人の特徴

 外向的感情型の人は、多くの人が好むものを追い求めます。いわゆる流行好きなタイプです。
 自分の気持ちに従ってそのまま生きていますが、それは環境の要求するところと非常によく一致しているので、スムーズに行動していくことができます。皆が「よい」と思い「素晴らしい」と思うことは、この人にとってもそうなのです。
 このタイプの人は、人々が喜びそうなものを的確に見つけ、作り出すことができます。実際に、このような外向的感情型の人は、パーティには欠かせない人です。多くの人が何か調和した楽しい雰囲気をかもし出すためには、このような心理機能が非常に大切です。
 また、初対面のひとに好感を与え、「適当な」関係をつくることの必要なセールスマンなどとしても、このタイプの人は才能を発揮します。実際、この型の女性は、よき社会人、家庭人として、対人関係を円滑にし、機転がきき愛嬌があって、多くの人に好かれて暮らしている。
 このタイプの特徴が強くなりすぎると、主体性を失った浅はかな人間になりかねない危険があります。あまりにも外向的になると、客体の持つ意識が強くなりすぎ、主体性を失い、感情の最大の魅力である個性がなくなってしまうのです。こうなると、他人に気に入られようと努力するが、わざとらしく見えたり、その浅薄さが露呈されてきて、やりきれないものとなります。

反対のタイプ(内向的思考型)を抑圧しすぎた場合

 外向的感情型の反対のタイプにあたるのは内向的思考型です。内向的思考は主観的な基準を基に物事を判断する機能です。
 外向的感情型の人の、客体への意識が強くなりすぎると、それは引きおろすために、今まで抑圧されていた未分化な思考機能が頭を持ち上げてきます。このときは、「それは結局……にすぎない」という断定によって、今まで感情的には重んじていたものの価値を一度に引き下げようとします。「宗教とは阿片にすぎない」とか「妻とは性生活を伴う女中にすぎない」とかの言葉によって、今までの価値を踏みにじるのです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする