思考(思考機能)とは、C.G.ユングが提唱したタイプ論における4つの心的機能のうちの一つです。
ユングは思考を「その固有の法則に従って、与えられた表象内容に概念的なつながりをもたらす心理機能である」と述べています。
思考は対象物の意味を考える機能です。対象物について論理的に理解しようとします。
対象物がどんな種類に属していて、どんな価値を持っているのか判断します。あるいは、それを成り立たせているルールや公式などを導き出します。
思考は外向的か内向的かによって外向的思考型と内向的思考型に分かれます。外向的思考型は、物事を判断する際に外の世界である現実世界からの現象に依存します。内向的思考型は、物事を判断する際に内的なイメージに依存します。
外向的思考型
構えが全体として外向的である場合には、思考は客体(他人や出来事)や客観的データに従い判断を下します。
そもそも思考とは、主観的な基準から導き出される場合と、五感により知覚された客観的なデータから導き出される場合があります。同じ思考型の人でも外向的思考型の人は、主観的基準よりも客観的データから結論を導く場合が多いです。
判断というものは常に基準を前提にしています。外向的な判断にとっては主に客観的な状況から借りてきた基準が決定的なものとなります。つまり、外の世界で起こったことが判断基準の全てであり、そこに主観が混じることはありません。
内向的思考型
内向的思考型の人は自分の内面にあるルールや法則を使用したり、あるいは求めたりします。彼らは概して外的なものに興味を示しません。あくまで主観を基準に物事を考えます。その為、外向的思考型の人の大半が目の前の物事について説明するのが上手なのに対して、内向的思考型の人は説明下手な場合が多いです(そもそも人に何かを説明するのに興味がない場合すらあります)。
内向的思考型は上手くすれば独創的で斬新な考えに至る場合もあります。しかし、その考え方があまりに独りよがりな場合、独善的な思考に陥る可能性も持っています。