C.G.ユングの提唱した概念である元型の1つです。
女性の心の中に潜む男性イメージのことをさします。
女性は対外的には、女性らしい態度(ペルソナ)を要求されます。しかし、内面の精神は男性的であり、外面の態度とのバランスをとろうとするといわれています。
アニムスの4つの段階
アニムスには4つの段階があり、以下の順にアニムスは成熟していくとされます
第1段階・力のアムニス
肉体的な力強さを持つ男性に惹かれる傾向があります。この場合、何のために身体を鍛えているかという精神性は無視されます。ただ力強い身体であることが求められるアニムスです。
第2段階・行為のアムニス
行動力のある男性に惹かれる傾向があります。このアニムスで重要なのは、その肉体を駆使して行動を起こすことであって、そのための強い意志の力や目的意識がアムニス像に示されます。
第3段階・言葉のアムニス
言葉を使う能力に長けた男性に惹かれる傾向があります。肉体性よりも論理性や合理性を示すアニムスです。この段階のアニムスは、物事の在りようを的確に理解する能力・それを説明する能力を求められます。
第4段階・意味のアムニス
精神的指導者としての男性像に惹かれる傾向があります。単に物事を説明するだけではなく、そこに秘められた意味を示してくれるアニムスです。
アニムスと自我の統合
女性の中には、アニムスに全く気付かなかったり、完全に抑圧している人もいます。この場合、男性がアニマを投影するのには最適であり、多くの男性からちやほやされたりします。しかし、他の女性からすれば、個性がなく頼りない女性に見え、なぜ男性に人気なのか不可解に思えることが多くなります。
ところが、アニムスに一旦気づいた女性はアニムスを無視することができなくなります。いかに苦しくともアニムスの発展の道を辿り、それを意識の中に統合していく必要が生じます。そのような努力を通して、女性は女性らしさを失わず、女性らしさを先導するアニムスによって自我は統合性を持った自己へと結ばれていくのです。