心理的機能はC.G.ユングによって提唱されました。
心理的機能はまず、合理的機能と非合理的機能に分けられます。そして、合理的機能は「思考」と「感情」に分けられ、非合理機能は「感覚」と「直感」に分けられます。
心理機能は、種々異なった条件のもとにおいて原則的には不変な心の活動形式です。
合理機能について
合理機能とは、その人なりの論理や体系に従って判断する機能です。その種類としては、思考(区別原理)と感情(関係原理)があります。
思考は、その固有の法則に従って、与えられた表象内容に概念的につながりをもたらす心理機能です。
感情は、自我と与えられた内容との間に生じる一つの心的過程で、受け入れるか退けるかという意味での一定の価値(好きか嫌いか、快か不快か)を付与する機能です。
非合理機能について
外界をそのまま受け入れる機能です。その種類としては感覚(現実性)と直感(可能性)があります。
感覚は、ある生理的刺激を知覚する仲介機能です。
直感は、一種の本能的な捉え方です。事物そのものよりも、その背後にある可能性を知覚する機能です。その過程は無意識をたどって生じるのでどうしてそれが得られるのか他人にはわからず、本人さえ説明に困るという性格を持っています。
灰皿を例にとった例え
思考、感情、感覚、直感の4つのタイプの物事の捉え方の説明として、「瀬戸物の灰皿をどう捉えるか」という例があります。それは以下のようなものです。
思考
これが瀬戸物という部類に属すること、その属性の割れやすさなどについて考える。
感情
その灰皿の感じがいいとか悪いとかを決める。
感覚
その灰皿の形や色などを的確に把握する。
直感
見た途端、幾何学の円に関する問題の解答を思いつくなど、そのものの属性を越えた可能性をもたらす。
心理的機能と心理的態度
この4つの心理的機能と、2つの意識的態度(外向と内向)を掛け合わせて、人を8つのタイプに分類することができます。すなわち、「思考」なら、内向的思考型と外向的思考型という具合に分類するのです。
つまり、タイプ論では以下の8つの性格傾向があるということになります。
- 外向的思考型
- 内向的思考型
- 外向的感情型
- 内向的感情型
- 外向的感覚型
- 内向的感覚型
- 外向的直感型
- 内向的直感型
この中で、特に自分が最も得意とするものを優越機能、最も苦手とするものを劣等機能といいます。優越機能と劣等機能の関係は真反対のタイプ同士がセットになります。つまり「外向的思考型」が優越機能の人は、その正反対のタイプである「内向的感情型」になります。逆に「内向的感情型」が優越機能の人は、「外向的思考型」が劣等機能となります。
優越機能と劣等機能のセット(真反対同士のタイプ)は以下に示す通りになります。
- 外向的思考型←→内向的感情型
- 内向的思考型←→外向的感情型
- 外向的感覚型←→内向的直観型
- 内向的感覚型←→外向的直観型
一般には、これらの基本類型の中間に属する人も多いです。また、優越機能を補助するタイプは補助機能と呼ばれます。
劣等機能があまりにおろそかにされ過ぎた場合、神経症など現実生活に支障をきたす場合があります。