男性的抗議 (masculine protest)

 A.アドラーによって提示されました。
 受身的女性的役割を拒否する意識的・無意識的な態度を指します。
 アドラーはこのような態度が神経症傾向の中心的な動機であると考えました。

男女による違い

 男性的抗議は、男女共に現れる可能性を持ったものです。しかし、男女においては現れ方に差があります。
 男性の男性的抗議は、自分自身の男性性に確固たる自信が抱けない場合に生じやすいです。
 行動の特徴としては、

  • ことさら男性的な特性を誇示
  • 尊大にふるまう
  • 虚勢を張る

 などが挙げられます。
 女性の男性的抗議は、自己の女性性について確信がもてず、むしろ自らの女性性を拒否するように現れます。その場合、男勝りな態度を発揮しようとします。

他の学者の反応

S.フロイト

 「女性性の拒否」と呼ぶ方が適切であるとしました。しかし、アドラーの見解をそのままは認めず、受け入れることはありませんでした。

H.ホーナイ

 女性における男性的抗議については、フロイトの意見を否定しました。そして、男性上位の社会文化的な条件に規定される部分が大きいと主張しました。

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