集団精神療法 (group psychitherapy)

 複数のクライエントが同時に参加して行われる精神療法の総称です。

歴史

 第2次世界大戦後、研究と実施が盛んになりました。
 展開した人物には、S.R.スラブソン、W.R.ビオンがいます。
 精神分析理論を背景にしており、転移や、投影同一視など、個人療法で生ずる対人関係上の技法や理解や解釈などを行います。

個人と集団の力動

 集団精神療法では、個人の力動と集団の力動は別のものではなく両者は本質的に同一過程の2つの側面と考えます。個人の問題は、集団の問題を効果的に解決する際に、他者と歯車をかみ合わせることができないことが原因であるとされます。

実践に関して

 集団心理療法の実践には、対人関係論や精神分析的知識を必要とします。主として精神分析学的オリエンテーションにあたる精神科医が行います。精神障害者など医療保険領域で行われています。
 対象となる集団は、病棟全体から数名の規模まであります。
 基本的には週1回行われます。時間は施設によって異なりますが、一般的に約40分程度で、治療者は定時に開始して定時に終了します。
 内容はテーマを決めたり与えたりせずに、自由に話をさせます。必要に応じて治療者が介入していきます。終了後に回想を行い、治療者並びにスタッフが話し合います。

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