対象とする行動の生起率が高い場面を観察する方法です。すなわちその行動の手掛かりとなる弁別刺激の出現する確率が高い場面を観察します。
特徴
日常生活の中でターゲットとしている行動が繰り返し生起しそうな代表的場面や、意味のある場面を記録します。
行動は場面によって生じやすいか否かが決定されます。ある行動を観察しようとするとき、その行動が生起しやすいさまざまな場面を選んで観察します。
長所と短所
長所
場面による行動の変化を見ることができる
欠点
同一の行動でも、場面が異なれば弁別刺激も異なる可能性がある
場面見本法の典型例
場面見方法の典型例として、交通量調査や通行人調査が挙げられます。これは観察する場所が道路計画や出店計画に適しているか調査するものです。同一場面で異なる時間帯や曜日に観察することから、定点観察ともよばれます。
場面見本法を用いた心理学の研究の例
外山(1998)の保育園における食事場面での幼児の席取り行動の観察があります。食事場面という場面のサンプリングだけでなく、午前中の活動が終了して食卓が準備されるときから食事が始まるまでの時間がサンプリングされています。