ウィスク・アールと読みます。ウェスク式児童用個別知能検査の改訂版の略称です。
歴史
1949年にウェクスラーは5歳から15歳の児童に適用可能なウェクスラー児童用知能検査(WISC)を作成しました。
わが国では、1953年にWISC知能診断法が児玉省らによって標準化されています。1978年に改訂版であるWISC-R知能診断法が作成しました。1989年に再度WISC-Rの修正版が作成されました。
特徴
- 原版のWISC-Rはそれまで5歳から15歳であった適用年齢を6歳から16歳までとした
- 下限の方はWPPSIとの重複年齢を1年とし、上限ではWAISとの重複年齢を1年にとどめる
- 高校生も適用範囲に入れるようにしてある
- 実施順序は、従来言語性検査を終了してから動作性検査を実施する(被験者の興味を維持しやすいようにWPPSI同様、言語性、動作性交互に実施することに改訂)
WISCとWISC-Rの主要な相違点
- 基本的なテスト理論には変化はない
- 各下位検査やIQにおける標準誤差を考慮に入れて正しい診断を行うようにした
- 各下位検査に精神年齢相当の評価ができるようにテスト年齢表を示した
- 検査の実施法や採点法や評価法についてWPPSIの方法を採用する(幼児期から高校期にいたるまで一貫したテスト・システム体型を確立した)
- WISCには正規の時間として含まれていた、言語性検査の数唱と動作性検査の迷路(WISC-Rでは追加ないし代替用の補助検査とされている)