キロンはスパルタ(ラケダイモン)の哲学者で、民選長官を務めた人物です。古代ギリシア七賢人の一人とされています。
スパルタの民選長官となった彼はリディア、ペルシアなどオリエント諸国の興隆に対抗するため、スパルタの改革を行いました。
キロンは無口だったので、当時スパルタでは、キロンを真似て多弁を慎むことが流行りました。
彼は二百行に上るエレゲイア調の詩を書きました。
キロンは「恥ずべき利得よりも損失を選ぶこと。損失は一時の苦痛をもたらすだけだが、恥ずべき利得はいつまでも苦痛となるから」という言葉を残しています。
伝承では、キロンは自分の息子がオリンピックの勝者となった喜びのあまり死んだとされています。
後世への影響
キロンはデルポイにあったアポロン神殿に、「汝自身を知れ」に加えて「過度を慎め」「保証は破滅の元」の3つの格言を神殿の円柱に刻んだと言われています。
この言葉を見て哲学者ソクラテスは、「無知の知」という自らの哲学的姿勢を引き出したといわれています。