アナクシマンドロスはイオニア学派の哲学者の一人です。
師であるタレスの意志を受け継ぎ、第一原理(万物の根源とは何か?)をしました。自らの哲学的思想を散文的スタイルで体系的に著したのも、彼が人類史上初めてだといわれています。
また、彼は天文学など他の学問にも通じており、以下のようなことをした人物としても伝えられています。
- 太陽の年周運動を観察する装置(日時計のようなもの)を考案
- 夏至や冬至を発見した
- 天球儀や世界地図を初めて作った
- 陸と海の輪郭を記載した地図を初めて描いた
アペイロン
タレスは、水を万物の根源(アルケー)とみなすタレスの見解に異を唱えました。
彼はアルケーが万物の生成の根源であるなら、それがこの世界に目に見える形で存在する特定の物事であるのはおかしいと考えたのです。
つまり、もしアルケーが水であるなら、どうして水からその真逆の存在である火が生成されるのはおかしいというのです。
そうした疑問を踏まえて彼は、アルケーはアペイロンだと主張しました。アペイロンとはペラス(限界)を持たないものという意味です。つまり、アペイロンとは「無限なもの」を指します。
彼は、基本元素と考えられていた地・水・火・風のどれにも特定されない物質であるアペイロンを万物の源としました。