ジョージ・バークリ

 ジョージ・バークリは、アイルランド生まれの哲学者です。ダブリンのトリニティ・カレッジで学んだ後、聖職位を得ました。生涯協会活動に尽力し、アイルランドのクロイン教会の教主として生涯を閉じました。
 著書には『視覚新論』『人知原理論』などがあります。
 彼はロックの経験を更に突き詰めて、素朴観念論を唱えました。

素朴観念論

 バークリは素朴観念論を定式化したことで知られています。素朴観念論とは、全ては人間の考え(観念)に依存して存在するとする考え方です。これは外的な世界が認識から独立して存在するとする実在論に対極にある考え方になります。
 ジョン・ロックは物体とは第一性質と第二性質を持っていると考えました。第一性質とは数値で表せる客観的な性質、第二性質とは数値で表せない主観的な性質をいいます。しかし、バークリは、物体にはそもそも第一性質も第二性質もないとしました。
 例えば、ある物体が自分自身からどれぐらいの距離にあるかを知るには、まず自分が物体を知覚する必要があります。知覚して得られる性質は二次性質にあたります。そうなると、そもそも一次性質と二次性質を区別することは不可能であることになります。したがって、何かの物質が存在するためには誰かに知覚される必要があるということになります。

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