ヘンリー・シジウィック

 ヘンリー・シジウィックはイギリスの 哲学者であり倫理学者でもあった人物です。
 シジウィックは、ベンサムやJ.S.ミルに続く「功利主義の伝統の直接的系譜にある最後の哲学者」として知られています。彼の著書『倫理学の諸方法』については、これまでに多くの研究がなされています。

シジウィックの倫理学

『倫理学の諸方法』では、個人のなすべき行為に関する究極の道徳原理を明らかにすることが目的です。この点でJ.S.ミルの『功利主義論』を継承していると言えます。
 ミルは、満足こそしているが質の劣る快楽しか享受できない愚か者より、不満足であっても優れた快楽を享受できる方が幸福な状態としました。
 しかし、シジウィックはミルの見解に論理的矛盾があると指摘しました。
 シジウィックはミルの意見を「禁欲的な要素と快楽主義的な要素の奇妙な混合」であるとしました。その上でシジウィックは、快楽の質的差異は結局のところ快楽の量に還元されうるとしました。

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