防衛機制の一種です。
外界の苦痛や不安な事実をありのままに認知するのを避ける自我のはたらきをいいます。
否認が生じるメカニズム
否認が生じる原因として、現実を認めてしまうと自らが不安になるからという理由があげられます。これにより、現実の一部または全部を、それを現実として認知することを無意識のうちに拒絶します。
感覚的な印象を実際には否認しないにしても、少なくともその感覚的な印象にできる限り注意を向けないようにして、苦痛を部分的に無くそうとするのです。
また、白昼夢に耽る空想的人間や精神病の妄想形成の際に否認が働きます。
A.フロイトは子ども時代における否認は、正常な反応であるし、成人における一過性の否認はむしろ望ましいといいます。しかし神経症においては、現実の否認がみられます。そして、否認に固執することが問題の存在を示唆していることがあるとしています。
抑圧と否認の違い
抑圧は抑圧した内容を思い出せません。一方で否認は内容を否定しながらそれを思い出すこと自体は可能です。
現実を拒絶するというのが否認のはたらきで、現実の危険に応じた対応が抑圧の働きです。