心理療法で見出された洞察と現実の生活とをすり合わせ、洞察で得たものを現実生活に結びつける作業です。洞察を現実生活の中で受け入れて心に納める作業であり、心理療法の終結にいたる作業となります。
徹底操作に関する考え方
S.フロイトの考え
クライエントが得た知識を、新しい角度、新しい因果関係から自分のものとするためには時間が必要。患者に知られるにいたった抵抗をさらに熟知させるために徹底操作を繰り返す必要があると考えました。
F.フロム・ライヒマンの考え
徹底操作の重要性を指摘しています。彼は「解釈によって理解されたものや、新しく自覚されたものは、くり返しそれが関わり合っているほかの体験と新しい関係や接触の場で克服され、検討されねばならない」と述べています。
その他
一方には、深い洞察や人格変容は徹底操作という反復にもとづかないでも生じうるという考え方もあります。
徹底操作に相当する期間に行われる作業には、
- クライエントがそれまで蓄積してきた解釈や洞察を洗練させる
- 面接者の誠実さや正直さを検討する
- 面接者がクライエントについての誤解を修正する
などがあります。
心理療法における徹底操作を行う意味
洞察という内的体験だけではなく、それを現実生活の中で受け入れる徹底操作が大きな意味を持ちます。
徹底操作の後で、現実生活が変化する場合が多いです。
またこの時期には、心理療法が一山越えた後の寂しさなどの感情を伴う場合もあります。