自由連想 (free association)

 S.フロイトによって確立された精神分析療法の基本技法です。
 ある言葉(刺激語)を与えられた時に、心に浮かぶままの自由な考えを連想していきます。

義務付けられる基本原則

 この療法の中では患者は寝椅子に仰臥し、分析者はその背後に位置します。
 患者には「何でも心に浮かぶものをありのままに話して下さい」という指示をします。それは正直に、嘘偽りなくという価値を含んだ要求ではありません。ありのままに、客観的に、事実に即して話すように要求されるものです。

この技法の特徴

 精神分析を受ける者に対して、少しも強制しないことが第一の特徴です。つまり、治療者と患者は対等な立場に置かれています。この関係に置かれてはじめて2人の人間関係の力動性が認識されるようになります。
 つまり、患者の治療者に対する対人関係のあり方こそが問題そのものであるということになります。この考えが後の「転移」という問題に発展しました。
 この技法は、決して現実との接触を失わないものです。社会的現実を背負っている患者が問題にしうるのは、現実との接触を失わない範囲に限られます。患者の自我の強さに応じて治療関係は続けられます。
 この技法において、神経症の構造における契機のどの1つも見逃したり、自分の予期によってその中に何を持ち込んだりしてはなりません。なぜならば、分析の進行や資料の整理を決定するのは、本質的に患者に任せられるからです。

自由連想の応用

 連想検査としての自由連想が、チューリッヒ学派、C.G.とくにユングによって研究されました。この方法を用いてコンプレックスの概念が提唱されるにいたりました。

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