夢の作業 (dream works)

 無意識下において、潜在夢を顕現夢に置き換える作業です。
 ここで顕現夢とは夢を見た本人が語る夢の内容を指し、潜在夢とは顕現夢の背後に隠れている夢の意味、すなわち夢の潜在思考を指します。

夢の作業が行われる理由

 夢の内容が、直接的だと夢見者に不愉快なものだからと考えられます。
 内容が不快で反道徳的、いやらしい、あるいは恥ずかしく意識することが耐えられないようなときに機能し、無害な、意味の分からぬものへと変えられるとされています。

夢の作業の種類

濃縮(圧縮)

 さまざまな要素、傾向が集まって一つのイメージを作り上げるはたらきです。潜在的な諸要素同士が顕現夢に対して合併され、融合されて一つになったものといえます。
 たとえば、さまざまな人物が濃縮されて、ただ一人の人物になっている夢が挙げられます。このような混成人物は、Aのように見えるが、Bのような服を着ているし、Cを思い出させるような作業をしています。それでいて、どうやらDだという意識がある。このような混同体を形成することによって、4人の人物の共通点が際だってきます。

強調点の移動

 強調点がある重要な要素から他の重要でない要素に移されます。結果、夢の中心点が変わって見えたりする。また「ほのめかし」によって代理されたりします。

劇化・視覚化

 言葉の形で把握されている潜在的思考を無害な感覚像、視覚像に置き換えるというものです。

各種の転倒

 顕現夢においては反対のものを表すことができる要素が、反対の意味に置き換えられることです。状況の転倒や、事件の順序や、二人の人物間の関係の転倒が起こり「あべこべの世界」が出現します。

二次的加工

 夢の作業の結果を組み立てて、ある全体のものとしてほぼ調和のとれたものにします。

象徴化

 潜在夢中のある種の原イメージがこれを象徴的に表現するように、心理的に無害なイメージに変更します。たとえば、潜在夢中の男性性器は、顕現夢では一般に刀や槍、ペンといった細長いものを通して象徴化されます。

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