カタルシス (catharsis)

 除反応(abreaction)ともいいます。
 S.フロイトが初期に精神分析の治療メカニズムを説明するために用いた用語です。
 言葉やそれ以外のさまざまな表現手段を通して自己の内面の浄化が起こることをいいます。

語源

 アリストテレスが、客観的に悲劇を見ることにより、自分の心の中が浄化されている経験をすることを述べたギリシャ語が語源です。
 そもそもの命名者はJ.ブロイアーです。フロイトはそこから精神分析を展開していきました。

カタルシスの例

 例えば、クライエントが絵を描くことが挙げられます。絵を書くことによって、無意識の中に抑圧されている葛藤や、それに伴う感情のエネルギーを放出します。それに伴い内面をイメージとして外存化、クライエントがそれを客観化し意識化していくことがあります。

良質のカタルシスを起こすには?

 良質のカタルシスは、カタルシスだけでなく個人の洞察のプロセスを引き起こします。
 カタルシスがより効果的に作用するには、それを受け止める側がその表出に対して防衛的になってはいけません。その自由な動きをあるがままに引き出してやる態度を持つことが必要です。それを安全に行うには、クライントをしっかりと守れる援助の枠組みが欠かせません。

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