S.フロイトの精神分析の中心的な概念です。
心の中にある直接アクセスすることも、コントロールすることもできない領域を無意識といいます。無意識においては一次過程が働きます。
思想としても革命的な影響を文学や哲学などの他分野にもたらしました。
無意識と抑圧
無意識の概念は、ヒステリーなどの治療的経験から生まれました。局所論的な無意識は抑圧により、前意識や意識へのぼることを拒まれた心的内容によって形成されています。これが意識に到達するには、抑圧を取り除くための操作が必要となります。抑圧を取り除くために考案された操作が、自由連想という精神分析の技法です。
また、無意識の発見には夢が欠かせないとフロイトはいいます。夢の中で展開されるさまざまな歪曲(置き換え、圧縮、象徴性、劇化など)は無意識と意識の産物なのです。
無意識の力動的側面
無意識と意識の間には抑圧という力が作用するという観点です。これは意識と無意識、身体と無意識で何らかの力が作用しているという考えです。無意識的な欲動が心的葛藤や身体症状となるのはこのためです。力動的な考え方は無意識を説明するのに欠かせない概念といえます。