治療中に治療者との関係を通して形成されてくる神経症をいいます。
転移神経症は中間領域ともよばれます。
患者が受診する際に悩んでいるもとの神経症を起源神経症とよびます。転移神経症は、現実でもないし、起源神経症でもない、いわばそれらの中間の領域に位置するためそう名付けられました。
精神分析におけるフロイトの考え
ヒステリー、恐怖症、強迫神経症の3種類の神経症は、基本的にエディプス葛藤が関連しているとフロイトは考えました。治療の中で、これらの神経症者は次第に治療者に対して転移感情を抱くようになります。やがて幼児期に神経症(幼児神経症)状態になったときとよく似た症状や防衛を示します。フロイトはこれを転移神経症とよびました。
転移神経症を起こす神経症の類型も転移神経症とよびます。
統合失調症やパラノイア、うつ病のような精神病は自己愛性神経症とよんで区別されました。