自我がみずからを守ろうとする無意識的な働きを指します。
自我は、イド、超自我、現実外界の3つによって不安にさらされたり、葛藤状態に置かれています。それを解決し安定を図るためにさまざまな機制を働かせます。それが防衛機制です。
防衛機制の種類
S.フロイトが見いだした10種類の防衛機制を、後に娘のA.フロイトが以下のようにまとまました。
- 抑圧
- 取り入れ
- 自己自身への向け換え
- 反動形成
- 分離
- 打ち消し
- 投影
- 退行
- 転倒
- 昇華
以上の防衛機制は、単独で働くこともありますが、複数のものが同時に働くこともあります。そして、防衛機制はほとんどが意図的なものではなく無意識の中で行われます。
また、A.フロイトがまとめたもの以外にも、他の研究者によって更に提唱された防衛機制も存在します。
防衛機制と神経症
防衛機制はややもすると病的なものとして見られがちです。しかし、誰もが多かれ少なかれ用いているものです。
状況に応じて適度に防衛機制を働かせることができる人は適応的な自我の持ち主といえます。
防衛機制が過度にかたくなに取られる場合は、神経症などの症状と結びつくことになります。例えば、抑圧、転換はヒステリーになり、反動形成、分離、打ち消しなどは強迫神経症になり、取り入れ、同一視などはうつ病になるとされています。