アクティング・アウト (acting out)

 行動化ともいいます。
 言語化を基本とする心理用法の受け手が、態度や葛藤などを言葉ではなく、行動によって表現することです。これは、治療契約から逸脱している状態です。

言葉の変遷

 S.フロイトは、アクティング・アウトが起きるのが面接室の外か内かは重要視していませんでした。想起されたり言語化されたりしないことに重点をおいていました。
 その後、M.A.ゼリグスはアクティング・インという対語を用います。行動の起こる場所が面接室の内か外かによって区別したのです。
 その後、アクティング・アウトは面接室の外で起こる場合を示すようになってきています。

アクティング・アウトの利用

 いずれにせよ、クライエントは、自分がしていることの意味に全然気づいていません。たとえ意識していたとしてもごくわずかです。行動の中にその意味を解く鍵がはじめから見えることもあります。セラピストが行動の意味を次第に明らかにし、解釈を与えれば、行動は抑制され、言語化へ至ることが多いです。

アクティング・アウトと性格の病理

 性格の病理の多くはアクティング・アウトを通してはっきりとその正体を現わします。このアクティング・アウトに対して制限を設定しなければならないし、合理的でなければなりません。
 制限する内容としては、セラピストとクライエントの間の行動を規制する制限、面接外でのクライエントの行動に対する制限が挙げられます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする