退行 (regression)

 防衛機制の一種です。
 一定の発達段階に達した個人が、欲求不満に直面したとき、過去の発達段階に戻ることです。

 退行の例としては、幼児返りや、子ども返りが挙げられます。
 これは成人の自我から、幼児のように依存的な自我への退行です。精神的により未熟な状態への退行が見られます。
 また、お祭り、遊戯、レクリエーションも人間の心を幼児的状態に引き戻すものです。このことから、退行は他の防衛機制同様に必ずしも不健全なものとは言い切れません。
 また、自我に奉仕する退行についてE.クリスが提唱しています。これは、多くの創造的活動は自我が一時的に退行することによって新しい創造がなされるとするというものです。

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