ゴットフリート・ライプニッツは、ライプチヒ出身の哲学者です。ライプチヒ大学で学び、大学卒業時に著した『結合法論』は普遍学の基礎ともされています。
大学卒業後はマインツ選帝候に仕え、外交使節団に加わりパリへ向かいます。
パリで数学やデカルト哲学を学んだのをきっかけに微分法の定理の発見、モナドの哲学など様々な分野における研究活動を行うことになりました。
理性の真理と事実の真理
ライプニッツは、真理を「理性の真理」と「事実の真理」の二種類にわけました。
理性の真理(永遠の真理)とは、概念に関わる真理をいいます。例えば、球は中心からの距離が等しい面に囲まれた立体であるなどがこれにあたります。これは、その球が実在するかどうかとは無関係に、知性が分析する球の概念のみに関わります。
事実の真理(偶然の真理)とは、実在に関わることをいいます。例えば、今日は雨が降っているなどがこれにあたります。
モナド
モナドとは、ライプニッツが提唱した、世界について説明するための概念です。単子とも訳されます。
ライプニッツは、自然はモナドという無数の独立した個体からなり、その頂点に神が位置していると考えました。すべてのモナドは神によって調和するように配置されているとライプニッツは説きます。
人間の精神では、理性の真理のうち、ごく少数のものしか把握できません。そのため経験にも頼らざるを得ず、それが事実の真理となります。ただし、今日は雨が降っていると知ることで、明日なにが起こるかを推論することが可能です。
ライプニッツによれば、そのような推論が可能なのは、宇宙がモナドと呼ばれる個別的で、単純な実体から構成されているからです。実在する個体(モナド)は宇宙のすべてと無限の関係を結びつき、モナド全体は、予め相互に調和しながら動くように定められているのです。
予定調和説
予定調和説とは、各モナドは神によって予めあるべき姿になるように定められているという考え方です。
ライプニッツによれば、あらゆる物事は、調整された二つの時計が同じように進行するように、神が事前に調整しているとされます。
それぞれのモナドは神以外の他のモナドからは影響を受けることはありません。モナドは小宇宙であり、その中には初めから宇宙の過去・現在・未来が記録されているといいます。
現実世界は神の意志の実現としての「最善の世界」ということになります。これを「最善説」といいます。