ジル・ドゥルーズ

 ジル・ドゥルーズは、フランスの思想家・哲学史家です。精神科医ガタリとの共著を発表する中で「リゾーム」「器官なき体」「ノマド」など様々な用語を創造しました。
 著書には『差異と反復』やガタリとの共著『アンチ・オイデプス』『千のプラトー』があります。

リゾーム

 リゾームとは、元々は地下茎の一種である根状茎をいいます。
 リゾームはツリー構造と対比されます。ツリー構造では、たとえば官僚組織のような上下関係が分類されています。ところがリゾームは多種多様なものが一見デタラメと思われるようにつながりあっています。
 リゾームでは、中心を欠いた多種多様な根が、どこまでも異種交配を続ける様が表されます。これによって、絶対的起源から発して改装秩序を構成するツリー構造に思考様式に対抗しようとしたのです。

ノマド

 ノマドとは、1980年に哲学者のドゥルーズとガタリが出版した『千のプラトー』で登場したものです。この中で彼らは、存在は誰かに囲い込まれたり私有されたりしないノマド的次元のものであるとしました。
 ノマドな生き方では、国境や宗教や人種などあらゆる壁を乗り越えて個人が適宜選択していくことが求められます。ノマドな生き方により、それまでの定住型ヒエラルキーの社会システムが作った国家装置に対抗できるとされます。

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