タルコット・パーソンズは、アメリカのコロラド州出身の社会学者です。パターン変数、AGIL図式を提唱するなど、機能主義の代表者とされています。
著作には『社会的行為の構造』『社会体系論』があります。
パターン変数
パターン変数とは、パーソンズが提唱した行為・価値分析のための理論をいいます。
パターン変数には以下の値の対があり、どちらか一方を選ぶことで行為のありかたが決まるとされています。
感情―感情中立性
感情に従って判断する態度と、感情に流されずに合理的に判断する態度の対立をいいます。
自己志向―集団志向
利益や規範の基準の対立をいいます。自分個人を重視するか他者を含めた集団を重視するかで決まります。
個別主義―普遍主義
基準の適用基準に関する対立をいいます。主観的な基準で対応するか、一般的な基準で対応するかで決まります。
属性本位―業績本位
人の評価基準に関する対立をいいます。生まれや地位などどんな人間かで評価するか、あるいは何ができるかで評価するかによって決まります。
限定性―無限定性
行為の範囲に関する対立をいいます。対象を限定して絞り込むか、広く関わろうとするかで決まります。
AGIL図式
AGIL図式とは、パーソンズが提唱した理論です。
この理論では、社会システムの存続・維持の機能要件として以下の4つが挙げられます。
適応
外的状況に適応し目標達成の条件を整える機能をいいます。
目標達成
状況の諸要素を統制することによって目的を達成する機能をいいます。
統合
システムの構成単位間の相互調整を行い統合する機能をいいます。
潜在的パターンの維持及び緊張処理
構成単位のパターンの維持に努める機能をいいます。