カール・ポパー

 カール・ポパーは、オーストリア出身イギリスの哲学者だった人物です。彼は、科学哲学に関して反証可能性について唱えました。
 また、著作である『開かれた社会とその敵』においては、歴史主義の批判と、「開かれた社会」、自由民主主義の擁護とを展開しました。

反証可能性

 反証可能性とは、ポパーが提唱した概念で、科学哲学で使われる用語です。検証されようとしている仮説が、実験や観察によってそれが間違っていると証明できるかどうかを意味します。
 反証可能性が科学であることの条件であるとするならば、どのような手段を使っても間違っている事を示す方法が無い仮説は科学ではないことになります。
 反証可能性を持つ仮説だけが科学であるとする立場は反証主義と呼ばれます。科学哲学的には、反証可能性の有無は科学と疑似科学の判定基準とされます。ポパーはフロイトの精神分析やマルクス主義には反証可能性が存在せず、これらのものは科学ではないとする立場を取りました。

開かれた社会

開かれた社会とは、個人が自分の言動について責任を持ち、合理的な批判や反省を重視し、改良される社会を意味します。
 これと反対の概念は閉じた社会で、これは全体社会・集団主義社会を意味します。「閉じた社会」は、部族社会・呪術社会・集団主義社会です。そこには個人の意志はなく、反省意識を高めることはかえって社会を不安定にするものとして排斥されます。
 ポパーは著書『開かれた社会とその敵』で、共産主義を批判し、「開かれた社会」の敵の一つとしました。

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