クロード・レヴィ=ストロースはフランスの思想家で、文化人類学における構造主義を確立しました。
自らの足を使ったフィールドワークにより、未開社会の習俗の中に構造があることを発見しました。さらに、それにソシュールやヤコブソンの言語学的思考を加えて、構造主義の思想を作り上げました。構造主義とは、文化や制度についてを構造からアプローチすることをいいます。
著書には『親族の基本構造』『悲しき熱帯』『野生の思考』などがあります。
構造人類学
未開民族では、並行イトコと交叉イトコが区別され、一方が奨励されて一方がタブーとなっていることが少なくありません。並行イトコとは母の姉妹の子どもと父の兄弟の子どもをいい、交叉イトコとは母の兄弟の子どもと、父の姉妹の子どもをいいます。
多くの場合で奨励されているのは母方の交叉イトコとの結婚です。交叉イトコとの結婚が奨励されるシステムは交叉イトコ婚と呼ばれ、それが推奨される理由が長い間民俗学者の間では謎とされてきました。
レヴィ=ストロースは、遺伝学的には説明のつかない交叉イトコと並行イトコの区別を、女性を社会的に交換していくための規則であると唱えました。つまり、交叉イトコと並行イトコの区別には無意識的な構造が存在するのです。レヴィ=ストロースは、親族構造分析で重要なのは構造とは循環であり、その循環の媒体は男性による『女性』の交換だとしました。
料理の三角形
料理の三角形とはレヴィ=ストロースが提出した提出です。
料理というものは人間の文明には不可欠な存在です。どんな社会も料理なしには成り立ちません。
レヴィ=ストロースはまず、料理の三角形において「生のもの」「火にかけたもの」「腐ったもの」の三つの頂点を設定しました。